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yentaリリースまでの軌跡(後編:プロトタイピング、UX、リリース)

2016-02-16

yenta UXジャーニーマップ


2016年1月27日に、完全審査制AIビジネスマッチングアプリyenta(イェンタ)をリリースさせていただきました。

今回は、yentaリリースまでのプロセスの後編として、前編の本格的に開発に入るところからUXに拘ったリリースまでの軌跡をまとめたいと思います。



11. テストの結果も踏まえてUXを再考する


社外テストでもらったフィードバックを踏まえて、改めてフックモデルやUXについて修正やブラッシュアップを始めた。

具体的なユーザーからのフィードバックのおかげで、社内テストでは気づかなかった、かなり細かい心理的ハードルや直感的に分かりにくい箇所、ニーズの強い部分、弱い部分などを把握することができ、プロダクトの完成度はかなり高まった感覚があった。

具体的には、スワイプするときの心境、スワイプにかかる時間に対する心理、プロフィール情報の量やどの情報が需要度が高いのか、「興味あり(右スワイプ)」するときの二人の関係性はどんな傾向や特徴があるのか?などなど、細かい心理的なものや、現実的なデータを多く集めることができたため、リリースに向けてどこをどれくらい力を入れて開発していくのが最適かをチーム全体で認識することができた。

”チーム全体で"を強調したのは、このチーム全体での認識の共有が、この後の開発プロセスを円滑に進めることに大いに貢献したから。



12. 本格的にアプリ全体のプロトタイプを作ってみる


サービスモデルの完成度がある一定高まった感覚を得たので、本格的にiOSアプリとしてのプロトタイピングを開始する。

ここで大活躍したのがグッドパッチさんのプロトタイピングツール「prott」。 めちゃくちゃお世話になってますm(_ _)m

prottを使ってiOSアプリyenta(イェンタ)のプロトタイピングをしていく。

当時はまだ、prottにワイヤーフレーム機能がなかったので、まずは「Cacoo」という便利なオンライン・ドローイングツールを使ってワイヤーフレームを作って、画像としてexportしてからprottにuploadして繋げてプロトタイプを作る。 cacooさんもマジで便利で、お世話になりっぱなしですm(_ _)m

導線の全体像が掴めてきたら、本格的にPhotoshopを使ってワイヤーフレーム作り。 今回は教科書通り白黒だけでワイヤーフレームを作り、画面レイアウトや導線設計をブラッシュアップしていった。



13. チーム内テスト→社員全員のテストを繰り返す


白黒の状態でプロトタイプが完成したので、yentaチーム内でテストしては、社員全員の新鮮な目でテストしてもらいフィードバックをもらう。これの繰り返しをしながら、白黒のプロトタイピングとしての完成度が高まったタイミングで、いよいよ色を入れてデザインを整えていく。

デザインが入っていくに連れて、チームのテンションも無駄に上がっていくw (アトラエでは初のiOSアプリだったため、うわぁ!だんだんアプリになってきた〜!!って盛り上がってましたw レベルの低い話ですいません汗)

デザインを入れた後もチーム→社員全員とテストを繰り返して、prott上でのプロトタイピングが完成!!

最終的にはprottで130枚を越える画面を繋ぎあわせていきました。
yentaのprottでのモック



14. アプリを開発しながらUXの最終ブラッシュアップをしていく


いよいよSwiftでアプリを開発しながら、prottでは出せないiOSアプリ特有の味のようなものをチーム全員で細かい議論を繰り返しながらプロダクトの完成度を上げていく。

ここでこだわったのは、UXの中でも3つのポイントだった。


  1. 頭をほとんど使わないでいい"自然体"で使えるUI
  2. 利用開始から24時間以内に最低一回はワクワクするUX
  3. アプリとユーザーの"距離感"

1.に関しては、登録、チュートリアル、スワイプ、プッシュ通知、マッチング結果の発表、などの一連のサイクルや説明が、できる限り直感的であり、複雑でないこと。

極力そのときにやれることを絞ったり、やってるときに他のことを考えなくていいことを強く意識してブラッシュアップを重ねていった。

2.に関しては、ユーザーがyentaを利用し始めてから24時間以内に、何らかのワクワクする体験をしてもらうことを強く意識した。

yentaの中でワクワクする可能性がある体験は以下の4つ。

①審査を通過する
②始めてスワイプするときにめっちゃいい人がレコメンドされる
③最初の20時に思った以上の結果が届く
④マッチングした人からメッセージが届く or メッセージが返ってくる

これらの体験を24時間以内に複数個してもらえるように技術開発やUXの企画に時間をかけました。

3.に関しては、継続的に使ってもらうために必要な要素だと思って拘ったポイント。

要するに、ユーザーとアプリの距離が遠すぎず、近づき過ぎない、いい距離感を保ち続けること。

例えば、Weaveというビジネスマッチングアプリがあるが、これはスワイプを無制限に行えるが故に、お腹いっぱいになるまでアプリに近づくことができる。

yenta(イェンタ)の場合は、一日10人しかスワイプができない。おそらくちょっと物足りない人もいると思うが、ちょっと足りないくらいが関係性としてはいいと思っている。理由は、疲れないし、飽きないから。

もう一つ、Weaveでは、スワイプをしたときに相手も自分をスワイプしていた場合、その場で「マッチングしました!」というモーダルが表示されて、すぐにメッセージが送れるようになっている。

そのため、スワイプをしている最中にメッセージを送るか送らないかの判断をしなければいけなかったり、メッセージを送りに行ったあと、また戻ってきて頭を切り替えてスワイプすることになる。

yenta(イェンタ)の場合は、昼12時に「今日の10人」が届いて、とにかく10人とスワイプするだけでやることは終了する。スワイプした瞬間マッチングしていたとしても、その場では分からないようになっている。

マッチングしたかの結果が分かるのは、全員一緒の夜20時のプッシュ通知で初めて知ることになる。

そのプッシュ通知を見てやることは、マッチング結果を見て、メッセージを送ることだけ。 昼のタイミングでスワイプし終わっていたら、そこでそれ以上スワイプすることはできない。

要するに、昼はスワイプだけの約2,3分、夜はマッチング結果を見てメッセージをやり取りするだけなので、とにかくひとつのことを考えていれば一日のサイクルが回るしかけになっている。



15. Closedβ版としてリリースする


いよいよ、iOSアプリが完成し、AppStoreに初めてアプリの申請! リジェクトになるリスクを最小限に抑えるために、色んな記事を調べて1発で通過させることを目標にできることは全てやってみた。

チームとしては初申請で1発通過させよう!って言ってたけど、内心さすがにそんなに甘くないんだろうな〜と思いながら、審査結果を待っていたら、

なんと、一発通過!!

早速、Closedβ版として限定ユーザーを招待して利用し始めてもらうことに。

yenta(イェンタ)との相性の良さそうな方に、連絡して約350名のClosedβユーザーに集まっていただき、yenta(イェンタ)Closedβ版が動き始めた。

以前にコア機能のWebテストは行っていたので、ある程度、行動の推測はしていたが、iOSアプリになって予想以上にアクティブに使ってもらうことができた。

少しバグや修正点も出たけど、総じて思っていた以上に良い感触を得ることができた。

Closedβ版ユーザーからのフィードバックの中には、拘ったUXに対するポジティブな反応が多く、ユーザーに伝わっていることを肌で感じることができた。



16. バグやUIの修正とUXの微調整を行う


出てきたバグや、フィードバックを元にさらなるブラッシュアップや機能追加を行い、本番リリース用の正式版が完成する。



17. 正式リリース


2016年1月27日に正式リリース。 TechCrunchさん、THEBRIDGEさん、マイナビニュースさんを始めとした各所でyenta(イェンタ)のリリースを取り上げていただき、ありがたいことに初日から沢山のユーザー登録があり、思った以上にアクティブに利用してもらえている。



18. 現在に至る


おかげさまで、リリースして2週間ほどで1万件以上もマッチングが生まれ、本当に面白いビジネスマン同士が実際に会ってくださっている。

facebookやtwitterでもyenta(イェンタ)を使って楽しんでいただけているという投稿があり、もっともっと良いアプリにしていけるように、現在も鋭意開発中。



19. 最後に


yentaチームにジョインしてくれる方大募集!

  • yentaのiOSエンジニア(swift)
  • yentaのAndroidエンジニア
  • yentaのサーバーサイドエンジニア(RoR)
  • yentaの広報・マーケティング
  • yentaのビジネス推進

少しでも興味がある人は、気軽に開発責任者の岡にfacebookメッセージを送ってください! もちろん、気軽な質問や絡みも大歓迎です!

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